近年、ツールやノウハウ等の環境が充実してきており、システムエンジニアの中でもなかなか差別化がしにくい状況になってきました。
中には差別化の一つの選択として「価格」を上げるソフトウェアハウスの会社も増えてきているのではないでしょうか?
しかしながら価格で勝負することは非常に危険と言えます。
何故なら、価格競争の先には破滅しかありません。
価格競争をしてよいのはシェアが1位のソフトウェアハウスのみです。
2位以下の会社が価格競争を挑んでも1位の会社には絶対に勝てません。
そして、いずれは自分で自分の首を締めることになります。
よく、大手Sierが中堅のソフトウェアハウスに発注する際に値引き交渉をしてくる場合があります。
仕事を取らないと空き工数として利益を圧迫してしまう、そういった状況を見据えての交渉です。
中堅会社としては非常に厳しい状況であり、足元を見られている状況です。
ここで受注するための選択肢は2つです。
・値引きをして受注する。
・値引き以外の方法で受注する。
できれば誰しもが後者を望みますし、それが実現できるのであれば万々歳ですよね。
逆に前者はこちらが返事をすれば簡単に受注可能な状態です。
会社が切羽詰まっている時は前者を選択しがちですが、安易に前者を選択してはいけません。
一度、選択したらその後はさらなる値引き交渉のオンパレードになります。
そして、それをもはや断ることはできません。
断ろうものなら、契約はそれきりです。
つまり、顧客は中堅のソフトウェハウスを技術力ではなく、低価格というところに価値を感じているわけです。
そして、ほとんど利益がないのにリスクがある状態の契約をせざるを得ません。
まさにビジネスではなく、ボランティアです。
では、後者でビジネスをするためにはどうしたらよいでしょうか?
答えは簡単です。
このサイトのテーマでもあります、「付加価値をつける」ことです。
価格ではなく、価値で勝負するんです。
まさに「価格競争」ではなく、「価値競争」です。
そうすることで、マーケット自体の価値も高まりますし、海外の会社との差別化もできます。
そして、付加価値がついたらこう言ってやりましょう。
大手SIer:「御社は高いですね。」
中堅ソフトウェアハウス:「そうなんです。付加価値が高いんですよ。」と。